鹿原こるり十四歳 - 『英雄×勇者×救世主(AUQ)』ファンサイト -

ハーブローク第3回リアクション結果

第3回リアクション エリア:ハーブローク
『さよなら 第三章』
担当:榊 大悟

Scene.1 アルトゥース侵入 より引用

 駄目だ、とオスカー・スタンベルクは告げた。
「城攻めは最後の手段だ。戦の備えに三ヶ月、そこから攻め落とすにはさらに月単位の時間がかかる。戦力で敵軍に勝っても三分の一の戦力を失ったうえ落とせぬ事すらある。アルトゥースを取り戻したい気持ちは分かるが、今飛び込むのは自殺行為だ」
「ゲイルロードさんたちが仲間について下さいました。それでもですか」
 鹿原こるりが食い下がる。
「武器なら、お届けにあがりましたわよ」
扉が開き、シヅヱ・グロシュライトスミスが姿を現した。軽く一礼してオスカーを見遣る。
「取り引きをした覚えはないが」
「フィリオ様と、お亡くなりになる前の契約ですわ。この時勢だと言うのに払いのいい、いいお客様だったのですけど」
 外には荷馬車が並んでいる。
 シヅヱはにこりと微笑んだ。
「それで、どうします?」
「駄目だ」
 オスカーはそれでも首を縦に振ろうとはしない。
「民を盾に取られる」
 皆、言葉を失った。
「城内に潜入するわ」
 イーリスがきっぱりと言った。
「城なら秘密の抜け道があるはずでしょう。アーウィンならそれを……」
 はっとして言葉を止める。
「そうか、アーウィンは、もう……」
 当然のようにいた人物がいなくなる。
 それがなんとも悲しかった。
「方法、あるかもしれません」
 こるりは、城での会話を思い出していた。
「離宮で侍女の方が言っておられたんです。時々庭に猪が迷い込んできたって。つまり裏の森からどこか、入れる部分があるはずです」
「それが本当なら、手はありそうじゃない?」
 ラグナ・カルロディアがどこか気の抜けた口調で言った。
「敵兵の配置や住人の状況、逃亡経路の確保、それだけ出来れば城攻めもそう長引かないでしょ。違う?」
「どうしてもやると言うのだな」
 オスカーは苦笑した。
「困った奴らだ」

「多分、こちらだと思います」
 城の事となれば務めていたカノラ・ノーノが詳しい。こるりが聞いたと言う侍女の噂から裏の森と繋がりがあると推測した。
「あらら」
 こるりはぽかんとした。城壁の一部が崩れて人一人が入れるくらいの穴が空いている。これなら猪くらい通る事が出来ただろう。
「戻ったら直しておかねばなりませんね」
 カノラが苦い笑いを浮かべる。
「猪さん達に会いませんように」
 そんな事を言いながらやぶの中を抜ける。手入れの行き届かない中庭も身を隠す手助けとなった。

Scene.4 アルトゥース奪回 より引用

 しかし、半身ごと地に沈められたゲイルロードが無事であるはずがなかった。骨が砕け内臓へと突き刺さっている。かける言葉が見つからなかった。
 英雄達も駆け寄ってくる。
「せめて、道連れにするつもりだったのだが」
 ゲイルロードは笑った。
「アーウィンとの約束も果たせずじまいだ」
「待ってくれよ」
 ラキュエルが食い下がる。
「あんた、俺達と一緒に行ってくれるんだろ。英雄公爵が嘘つくのかよ」
「ラキュエルさん」
 こるりが目を伏せる。
「妹と……」
 ゲイルロードが呟く。
「やっと妹と戦えた気がする」
 その脈動が弱まっていくのが誰の目にも分かった。
 別れに、なんと言えばいいのか。
「ゲイルロード、あとはわしらに任せろ」
 ヨーゼフだった。
 ゲイルロードの表情が和らいでゆく。
 そして帰らぬ人になった。

Scene.5 旅の終着 より引用

 あれから四ヶ月が過ぎた。
 各地の勢力の協力もあり、英雄達は順調にイゾルデへ向け兵を進めることが出来た。
 その間、いろいろな事があった。
 転機はアーマラーの反乱が成功しアルベリッヒが討ち取られた事だろう。各地の戦況も好転し、戦乱の火種が残るのはこのハーブロークのみとなっていた。
 しかし、イゾルデには自らを負の増殖炉と称するシュラークフィーダーがいる。魔物化した人々を使い、破壊の限りを尽くしていた。
 ついに今日、イゾルデを固める最後の砦を陥落させる事に成功した。
 だが、そこにはゲイルロードの姿はない。
 アーウィンも。
「明日で終わりだ」
 陥落させた砦で焚き火を囲み、ヨーゼフがそう呟いた。
「終わりにしなくてはならん。アーウィンは死んだ。ゲイルロードも、その妹も、みんなみんな死んでしまった。残ったのは我々だけだ。我々が終わらせるしかないんだ」
 長い旅路だった。
 どこまでも続く血の行路だった。
 僅かな幸せを手にする為に、たくさんのものが失われていった。
「でも、楽しい事もありましたよ」
 火を見つめたままこるりが言った。
「皆さんと、出会えましたもの」


今月の印象に残ったシーン

オープニング/エンディング

 冒頭で四ヵ月後の状況が提示され、続く本文でそうなった経緯が描かれる、という構成でした。
 あまりの展開の早さに、ハーブロークの各地から阿鼻叫喚の声が聞こえてきています。ワールドマップの適当なところをクリックしてみてください。プレイヤー的にはビックリしつつもこの状況を楽しんでますが。

ゲイルロードさんの妹さん救出関係

 黒幕の人、実はPCだったりして……。
 そう言えば、遊演体さんの『映画祭殺人事件』の犯人は、PCに見せかけたNPCだったって聞いたような。

エンツォ周辺

アルトゥース奪還関係

 今回、何気に文章量が三割くらい少なめです。ブログなどで「活躍できなかった」とこぼしている方が多いのは、そのせいでしょうか。
 PC人数も減っています。
 私は参加者のリストを作って各PCの行動などを追ったりしているのですが、ようやく名前を覚えたあの人や、結構印象的な活躍をしていたはずのあの人がいないことに気がつくたびに、少し寂しい思いをしたりします。
 きっと家庭の事情や生活環境の変化、例えば転職や転勤などの事情で僻地に飛ばされたり、異世界に勇者として召喚されたりして、PBeMどころではなくなってしまうプレイヤーさんもいるのでしょう。やむを得ないことです。
 でも、例えリアクション上からは姿を消しても、それは描写されないだけで、彼らはこの世界のどこかで生活したり、人知れず戦ったりしているのかなぁとか、思いを馳せたりする楽しみもあります。

今月の鹿原こるり

アイコン(鹿原こるり)

 こるりは第三章リアクションのScene.1 で潜入の手引きをし、Scene.4でゲイルロードの最期に居合わせ、リアクションのラストシーンで締めの一言を発言していました。
 抜粋では省略しましたが、抜粋シーン前後でのラグナさんが『疾魔槍ハルファス』で兵士を峰打ちするシーンとか、ゲイルロードさんの最期を目にして決意を新たにする秀斗さんやシュヴァルツくんも格好よかったです。

 今回は最初から、アルトゥースの街に潜入する他のPCを支援する行動をメインにするつもりでした。ただ、締め切り直線になってから、シュラークフィーダさんが街の人たちを魔物に改造する展開を懸念して、あれこれと都市内部で街の人たちを励ますような行動も盛り込んでいます。実際には多くの方がアルトゥースに向かっていて、潜入してからの補足的なアクションは没になっているのですけど。
 一人や二人で潜入しても大して街の人の力になれないのではないかと不安だったので、大勢の方、カノラさん、ラグナさん、イーリスさん&グラムスさん、ルアさん&ノキアさん、ヨーゼフさん、千堂さん&クリームヒルトさん、ヒューさん、ファルさん&ラキュエルさん、カイさん、秀斗さん、シュヴァルツくん、ラリーさん……といった方たちと一緒に潜入できて、心強く思いました。

 Scene.1の登場シーンでは、前回ペルルさんの救援をどうするかで言い争ったりしたオスカーさんやラグナさんと、今度も一緒でした。経験の浅い若者の暴走を抑えるオスカーさんや、とにかく困っている人がいれば助けに行くという、風来坊のようなラグナさんなど、読み比べると面白いです。

 次回は(ゲーム世界内の時間で)四ヶ月後ということですが、四ヶ月という期間をうまくアクションに盛り込めば、その間の大活躍を捏造してみたり、いつの間にかPC同士の関係が進展していたり、破局していたり……といったことも可能かも知れませんね。
 それと、(個人的なことですが)こるりがアースで参加していたPBMが、ちょうど第9ターンから第10ターンに差し掛かっている頃になります。次回アクションには、最終アクションまでにアースに帰れそうだと言って喜ぶ(そして多分、ぬか喜びになる)こるりの描写も盛り込もうと思っています。

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