鹿原こるり十四歳 - 『英雄×勇者×救世主(AUQ)』ファンサイト -

2004年9月19日の日記

アイコン(鹿原こるり)

 今日はわたしの好きな小説のあらすじを紹介をします。
 マイクル・ムアコックの「エレコーゼ・サーガ」。現代ロンドンから剣と魔法の世界に召喚された勇者の物語です。

 現代から剣と魔法の世界に召喚された勇者エレコーゼは、自分を召喚した異世界の人々から魔法の剣を与えられて、彼らに言われるまま、悪とされる邪悪な種族を倒していきます。
 物語の大部分は、邪悪な敵を倒していく勇者エレコーゼの活躍を語ることに費やされます。
 ですが、やがて破局が訪れてしまいます。その世界の常識やしがらみに縛られない自由な者、つまり部外者でしかないエレコーゼは、自分が戦う意味を見失ってしまうのです。というのもエレコーゼには、自分を召喚した世界の人々が忌み嫌う「邪悪な敵」たちのどこに非があるのかを、理解することができなかったのです。
 エレコーゼの目には、自分を召喚した人々の言う「邪悪な種族」たちが、美しく、聡明で、平和を愛する穏やかな人々に見えていたのです。

 自分を召喚した人々に失望し、敵の姫と恋に落ちたエレコーゼは、物語の最後で自分を召喚した側の人々に反旗を翻して、一人で味方を皆殺しにしてしまいます。
 結局、勇者とは何者にも縛られない自由な者であると同時に、部外者でしかないから、歴史に根ざした目的や意識を根本的なところで共有できない……そういう、哀しいお話です。

 ずいぶん前に読んだ本なので、内容もうろ覚えなのですが、エンブリオンに来てから、40年も前に書かれたこの小説のことを時々思い出すのです。

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